天下の二枚目アランドロンの登場 その2
三作目は、『恋ひとすじに』
ドイツのロミー・シュナイダーと共演
同棲し婚約するも、1963年に別れる。
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フランス語が話せないロミーと
ドイツ語が話せないアランは意思疎通がうまくいかず、
ロミーの家庭では「全員アランが嫌いだった」。
スポーツカーを乗りまわし信号を無視して走り、
スタジオには必ず遅刻してくる、
数々のよからぬ噂を持つ男だった。
母親は、娘を一目見て言った
「あら、あなた、彼にまいったのね」
アラン・ドロンという母の愛情を知らない
非家庭的なフランス男をロミーの家族は受け入れなかった。
ロミーは実家を飛び出してパリで同棲した。
家族は娘を放っておけず「婚約」という形でお茶を濁す。
アランは二人の間にあったギャップを語る。
裕福な上流家庭で育ったロミーを「僕が世の中で一番嫌いな階層の人間だ。
20年にもわたって彼女が身につけてきたものを僕が5年ほどで消し去ることはできない。
僕の中には二人のアラン・ドロンがいて、
ロミーの中にも二人のロミー・シュナイダーがいる。
一人のロミーのことは世界中の誰よりも愛している。
だがもう一人のロミーは同じくらい嫌いな人間だ」。
パリでロミーはフランス語を勉強したが
何本かのドイツ映画の契約が終わると仕事は途絶えた。
ドイツ映画界のアイドルがフランス男と出奔した、
裏切り者だとしてドイツのリストから外され、
フランスではリストにも載っていない女優となった。
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