愛を積むひと~完全あらすじ編

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映画の最後まで完全ネタバレです。

工場をたたんで東京から北海道に移った初老夫婦(佐藤浩市と樋口可南子)。

住んでいる一軒家はかつて外国人が住んでいた。

その外国人が家の周りの石塀作りをやりかけて、完成しないままだった。

樋口可南子はその石塀の完成を望み、造園業者のアルバイトを雇い、

しぶしぶ佐藤浩市は石を積む作業を2人で行うことに。

アルバイトの徹は、高校を中退した無口な青年だった。

徹の友人が不良で、夫妻が留守の時に空き巣に入る。

徹には紗英という恋人がいた。

紗英は、恋人がお世話になっている恩を返す為、家事を手伝うと言う。

樋口可南子は、徹と紗英を本当の家族のように可愛がっていた。

紗英が娘の聡子に重なって見えたのだ。

佐藤浩市は、不倫の末に相手の妻を自殺未遂まで追い込んだ娘を、

いまだに許す事ができていない。

樋口可南子の心臓は既にかなり悪く、

心臓移植をしない限りもう永くはない事を本人だけが知っていた。

(これを、夫に伝えないのは罪ですね)

樋口可南子の誕生日を迎える。

紗英と徹は樋口可南子にブランケットをプレゼントする。

佐藤浩市からのプレゼントは、ひと粒の真珠。

結婚以来、毎年ひと粒ずつ贈られる真珠。

親の町工場を継ぎ、金の無い佐藤浩市にとって精一杯の贈り物だった。

樋口可南子は、長年貰い続けた不揃いの真珠達をネックレスにしていた。

そして、そのネックレスは空き巣に盗まれ、盗んだ徹の仲間は行方知れずだ。

秋になり、樋口可南子は帰らぬ人となった。

そこへ、紗英が訪ねて来る。

紗英は、佐藤浩市に一通の手紙を渡した。

樋口可南子が、事前に紗英に預けていたのだ。

樋口可南子は、佐藤浩市が一人暮らしになり、荒れた生活になる事を心配していた。

身ぎれいにして、外に出て、友達を作ってほしい。

そして石を積んで、空から自分が見えるような立派な石塀を作ってほしい。

手紙には、そう書かれていた。


徹が、警察に連行された。

空き巣を持ちかけた仲間が、また強盗をして逮捕されたのだ。

佐藤浩市の元には、ネックレスが返ってきた。

しかし、佐藤浩市は裏切られたショックから、

紗英にまで普通に接する事が出来なくなっていた。

ネックレスを妻の仏前に備え、今年のひと粒も添えようと引き出しを開ける。

すると、そこには再び樋口可南子からの手紙があった。

空き巣に入られた夜、樋口可南子は、徹の顔をしっかりと目にしていた。

その事実を心にしまっていたのは、徹にとって、

石積みを続ける事こそが罪を償い更生するチャンスになると信じていたからだ。

ネックレスを取り戻し、空き巣の犯人が誰かわかっても、犯人を責めないでほしい。

それが、手紙を書いた樋口可南子の願いだった。

佐藤浩市は、仕事をクビになり社宅も追い出された徹を引き取った。

徹は、樋口可南子と佐藤浩市の気持ちに応えるため、休む間もなく働いた。

紗英が妊娠した。

紗英は子供を産みたがったが、

母は許さず、徹との関係を断ち切らせようとしていた。

すっかり自信を無くした徹を励ましたのは、佐藤浩市だった。

石積みに必要なのは、立派で形の良い石だけじゃない。

いびつで欠けた石こそ必要な場所もあるのだ。

佐藤浩市は、徹を連れて紗英の家に向かう。

上田牧場だ。

紗英の義父・柄本明は、娘の出産を応援する気でいた。

しかし、徹の存在は認められない。

それでも、徹は柄本明にすがりついた。

徹と紗英の熱意に押され、柄本明は、徹を石狩の牧場に送り出す。

一年間の、跡取り修行だ。

それ以来、柄本明は酒を持って佐藤浩市を訪ねる仲となっていた。

冬は石塀づくりも中断。

柄本明に促され、古いアルバムをめくる事になった佐藤浩市。

可愛かった聡子の子供時代を辿っていくと、

そこには再び樋口可南子の手紙が挟んであった。

樋口可南子は、幸せな人生だったという。

その中で、たった一つの心残りが聡子の事だ。

確かに娘は過ちを犯したが、

それで父の愛が消えて無くなるわけではないだろうと、樋口可南子は信じていた。

しかし、それを聡子に伝えられるのは、佐藤浩市しかいないのだ。

冬が終わり、佐藤浩市は東京を訪ねていた。

かつての仕事仲間から、結婚式に招待されたからだ。

北海道に戻る前、聡子のアパートを訪ねる佐藤浩市。

聡子は今、妻を亡くした子持ちの男と交際していた。

もうじき娘を迎えに恋人が来るから、会って欲しいと頼まれる佐藤浩市。

しかし、佐藤浩市は飛行機の時間を理由に、聡子の元を去ってしまう。

聡子に渡すつもりだった真珠のネックレスと、

佐藤浩市が書いた手紙は、そのまま樋口可南子の仏前に戻された。



石堀が完成した。

完成したら、十勝岳に登るのが樋口可南子との約束だった。

十勝岳は、かつて佐藤浩市が樋口可南子にプロポーズした場所だったのだ。

樋口可南子の写真と共に、山頂を目指す佐藤浩市。

しかし、佐藤浩市は気づけば病院に運ばれていた。

山の天候が急変し、雨で足を滑らせ崖下に転落したのだ。

聡子は、知らせを聞いて東京から駆け付けていた。

娘を前に、何と声をかけたらいいか悩む佐藤浩市。

そんな父に、聡子は首に巻いたストールを外して見せた。

その首元には、樋口可南子のネックレスが輝いている。

聡子は、佐藤浩市が一日中目を覚まさず、両親の家に一泊していたのだ。

そこで、母の仏前に供えられた紙袋を見つけた。

中にはこのネックレスと、不器用な父の、

自分を想う精一杯のメッセージを記した手紙が入っていた。

いつか恋人とその娘を、北海道に連れて来いと言う佐藤浩市の目には、涙が浮かんでいるのだった。

樋口可南子からの最後の手紙には、佐藤浩市への感謝がいっぱいに綴られていた。

自分のわがままで、北海道まで越してきてくれた事。

石塀づくりに励んでくれた事。

THE END
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