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ヴィヨンの妻~松たか子、浅野忠信、太宰治の世界を見事に描く



松たか子の演技は独特で、まさに怪物ですね。

浅野忠信の違和感のない、作品に溶けるような演技は素晴らしい。

原作の枠を超えないで見事に太宰の小説の世界を描いています。


ヴィヨンの妻(2009) A



★数行で映画紹介

自殺志願の夫、 酒に弱く、女に見境がなく、

ほとんど家に帰ってこない。

有名詩人で、かなり女性にもてる。

家庭にはお金を入れない。

生活できない妻と子、しかし妻は平然としていた・・・。


★映画のソース 

原作は太宰治の短編小説「ヴィヨンの妻」をベースに

「桜桃」「きりぎりす」「姥捨」「思い出」「二十世紀旗手」「燈簾」

などを元に、田中陽造が脚色


★太宰のファンです

高校の時に太宰治の「人間失格」を読んで、ファンになりました。

他に好きな作品は「斜陽」。

太宰が好きなのは、読みやすさと、弱さをさらけ出すところですかね

夏目漱石の作品「それから」「門」、

村上春樹の「ノルウェイの森」と同じニオイがしますね。

太宰は女性の目線で見事に書ける才能がある。

★本作での太宰の世界の根幹のセリフ


「女には、幸福も不幸も無いものです」

「そうなの? そう言われると、

そんな気もして来るけど、それじゃ、男の人は、どうなの?」

「男には、不幸だけがあるんです。

いつも恐怖と、戦ってばかりいるのです。

僕はね、キザのようですけど、死にたくて、仕様が無いんです。

生れた時から、死ぬ事ばかり考えていたんだ。

皆のためにも、死んだほうがいいんです。

それはもう、たしかなんだ。それでいて、なかなか死ねない。

へんな、こわい神様みたいなものが、

僕の死ぬのを引きとめるのです」

「お仕事が、おありですから」

「仕事なんてものは、なんでもないんです。

傑作も駄作もありやしません。

人がいいと言えば、よくなるし、

悪いと言えば、悪くなるんです。

ちょうど 吐く息と、

引く息 みたいなものなんです。

おそろしいのはね、この世の中の、

どこかに神がいる、という事なんです」


★仕入れた情報

ヴィヨンとは、

15世紀のフランスの詩人フランソワ・ヴィヨンのこと。

詩人の夫が雑誌にヴィヨンの論文を書いたこと、

放蕩詩人という点で大谷と共通することから、

大谷の妻のことを「ヴィヨンの妻」としたようだ。


★本作と原作との違い

1.マフラーを盗む

これは原作にはなく、弁護士を登場させるために
太宰の「燈籠」のエピソードを追加


2.心中事件

これも原作にない、太宰の「姥捨」のエピソード追加


3.岡田とのからみ

原作では岡田に犯される。

キスだけで終わるのは、太宰作品からでなくて、
当時の文豪での恋愛エピソードで、いくつありますね。
谷崎潤一郎、佐藤春夫に妻を譲るとか、
夏目作品にもあります。

4.コキュ

cocu(コキュ=フランス語)は妻を寝取られた夫のこと。

椿屋に先に戻っていた大谷は聞く。

「何をしてきた?」

「人に言えないこと」

「やっぱりコキュに成り下がった」。

原作にもなく、今のところ他の作品からみつからない。

太宰の最初の妻は不倫していて、離婚している。



★私論 太宰の最後は自殺ではない

太宰は生きてゆこうと考えて

自殺は、しなかったと思います。

子供4名も生まれて

ストーカーの山崎富栄に巻き込まれたんです。

遺作であり未完成の「グッドバイ」を読めばわかります。

新しい境地で書かれているからです。

========

★基本情報

監督: 根岸吉太郎.

脚本:田中陽造

出演: 松たか子, 浅野忠信, 室井滋

===========

過去3年、600本からマイベストです。


ウで、はじまる恋愛映画(邦画編)


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