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カサブランカ~迷走するシナリオ(2)~ボギーが言う「俺はまだ死にたくない」



迷走するシナリオ(2)~ボギーが言う「俺はまだ死にたくない」


★脚本の無い撮影

クランクインの段階で脚本は完成しておらず
書き上げられたシーンを
片端から撮影していくという方法が採用された。

終盤まで話の結末を誰も知らないという前代未聞の映画で、
結末がなかなか決まらなかった。

とにかくいろんなケースで撮影がなされた。


★脚本迷走の原因

脚本は、機知とユーモアの得意なジュリアス・J・エプスタインが前半を書き
フィリップ・G・エプスタインがミステリアスな後半を
そしてハワード・コッチがロマンチックな味を加えたという。

脚本未完のまま
エプスタイン兄弟がキャプラに引き抜かれる形でワシントンに移り
ハワード・コッチ一人に責任が負わされることによる。


★ボギーはシナリオに注文「おれはまだ死にたくない」

ボガートとレインズ(ルノー署長)が霧の中を遠ざかるシーンがまず撮られ、
こちらの方がよさそうだということで、
もう一通りのシーンは撮られないで終わった。
この時ボギーは
「死ぬ役はルノー署長にまわしてくれ。おれはまだ死にたくない」
と言った。


★結末はこうやって決まった。

「誰をラストに残すべきか..」と考え続けていた。
ラズロが死ぬか でも英雄ラズロは死なすな。

結末落着の件は伝説となり、以下の異なった証言がある。

1.ボギーと別れるとボギーとハッピエンドの
二通りのラスト・シーンを撮影して良い方を採用しようということになったが、
先に撮影した方がスタッフの評価も高くそのまま使用されることになった。
これが現在知られているラスト・シーンである。

2.ある日思いがけず、ついにラストが決まった。
脚本家ハワード・コッチはサンセット大通りを走行中に
突然「犯人を捜せ」という言葉が頭に浮かんできたので
ボガードにシュトラッサー少佐を殺させることにした。
そしてルノー署長に「犯人を捜せ」と言わせた。
これでボガードが残り、バーグマンはヘンリードと出国することになった。

このセリフは
後の「ユージュアル・サスペクツ The Usual Suspects (1995)」
にオマージュされる。


★ボガートのラストの有名な決め台詞

"Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship."
「ルイス、これが美しき友情の始まりだな。」は脚本にはなく、

製作者のウォリスによって付け加えられ、撮影終了の3週間後に録音される

彼は『Everybody Comes to Rick's』だった

今作のタイトルを『カサブランカ』に変更する。


★名作になった理由

多数の関係者が口出しできたので名作となったと思う。

誰でも口出しできる。

ボギーまで「俺はこの映画で死にたくない」と言う。

慎重に、ただ良い映画を作ることを目的に

撮影した後にデキを見て脚本を変えてゆくとは

まさに豪華で贅沢な映画作りだと思います。

それでこそ、この映画が傑作となった由縁ですね。




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