マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020)〜自叙伝『サリンジャーと過ごした日々』
マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020)B〜文芸版『プラダを着た悪魔』
★数行で映画紹介しなければ
自叙伝『サリンジャーと過ごした日々』が原作
★ショウトしょうとSHORT
文芸版『プラダを着た悪魔』と評される。
サリンジャーはファンレターは読まないと告知しないのだろう?
「僕は感情を飲み込む。感情をぶら下げて街を歩くわけにはいかないから」
という彼の文章に、ジョアンナは「私も感情を飲み込んでいる」
と口にしていた。
作家志望に元気を与えますね。
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★概要ネタバレは基本情報のあとに
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★基本情報
My Salinger Year
監督 フィリップ・ファラルドー
脚本 フィリップ・ファラルドー
原作 ジョアンナ・ラコフ
『サリンジャーと過ごした日々』(柏書房)
製作 リュック・デリー(英語版)
キム・マクロー(英語版)
製作総指揮 フィリップ・ファラルドー
ジョアンナ・ラコフ
ナイマ・アベド
フサイン・アマルシ
エミール・ジョルジュ
セリーヌ・ハダド
メアリー・ジェーン・スカルスキー
出演者 マーガレット・クアリー
シガニー・ウィーヴァー
ダグラス・ブース
コルム・フィオール
音楽 マーティン・レオン
撮影 サラ・ミシャラ(英語版)
編集 メアリー・フィンレイ
製作会社 micro_scope
パラレル・フィルム・プロダクションズ
配給 カナダの旗 モングレル・メディア(英語版)
日本の旗 ビターズ・エンド
公開 カナダの旗 2021年3月5日
日本の旗 2022年5月6日
上映時間 101分
製作国 アイルランド
カナダ
言語 英語
★概要ネタバレ
ニューヨークの北の郊外で育った幼少期のジョアンナは、作家志望でニューヨークへ
1995年秋。ニューヨーク。
職探しのために人材紹介会社を訪れたジョアンナは、
ニューヨーク老舗の出版エージェンシーを紹介されました。
面接は無事合格し、ベテランエージェントのマーガレットのアシスタントとして働く。
興奮するジョアンナを見て、マーガレットはある忠告をします。
「何があっても“ジュリー”の連絡先を誰にも教えてはダメ。
頭が変で人嫌いという噂は全部ウソなの」と。
面接を終えたジョアンナがふと本棚に目をやると、
そこにあったのは『ライ麦畑でつかまえて』。
“ジュリー”とはあのサリンジャーのことだった。
ニューヨークで新たな人生を築こうと決意したジョアンナは、
書店で知り合った小説家志望のドンと親しくなり、恋人となりました。
ジョアンナの仕事は毎日サリンジャーに届く大量のファンレター全てに目を通し、
定型文の返信をすることでした。
サリンジャーは田舎で引きこもり生活をしていた。
ファンレターの内容はどれもこれも思いのこもったものばかり。
ジョアンナはなかでもノースカロライナ州ウィンストン・セーラム在住の青年から届いた
ファンレターに心を動かされた。
-僕は『ライ麦畑』を3回読みました。
ホールデンを想うと最初ニヤニヤしましたが、気付いて落胆します。
彼を思うのは感情的になったときのみ。
僕は感情に飲まれてしまうのです。
彼に返信を送ることができず、
ジョアンナは手紙をそっと引き出しにしまいました。
そんな中、マーガレットの離席中に1本の電話が鳴りました。
声の相手はなんとサリンジャーでした。
ジョアンナは簡単な自己紹介を済ませ、
サリンジャーから旧作『ハプワース16、1924年』を出版することを知らされます。
30年ぶりの出版の知らせにマーガレットは大興奮。
ジョアンナは西海岸にいる恋人カールから手紙を受け取ります。
しかしどうしても手紙を読むことができない。
ファンレターは世界中から届きました。
戦争体験を打ち明ける退役軍人、作家志望の娘を亡くした母親など。
そして、落第しかけているという学生からも手紙が届きました。
-学校の先生が、サリンジャーに手紙を送り、
彼が返事をくれればA評価を付けると言うのです。
どうか返信を下さい。
そんな手紙に居ても立っても居られなくなったジョアンナは
自分の署名で返事を書き始めました。
「Aがほしければしっかりと勉強をしてください。
ホールデンの精神を支持するなら、
人からの評価を気にせずに」と。
後日、その少女がジョアンナを訪ねて会社にやってきました。
「なぜあなたが説教を?あなたのせいで私の夏休みはなくなった!」と。
ジョアンナは落ち込みました。
さらに不幸が続きます。
ある朝、ジョアンナが出勤すると社内が沈痛な雰囲気に包まれていました。
仲間のダニエルが自殺をしたというのです。
マーガレットはダニエルの愛人で、躁うつ病の彼を、
彼の妻と共に長い間看病してきたのでした。
みんなが深い悲しみに沈みました。
マーガレットを見舞うために自宅を訪れたジョアンナ。
マーガレットは
初めて本を担当したときのことやダニエルとの馴れ初めなどを話してくれました。
仕事に厳しいマーガレットでしたが、
彼女のソフトで弱い一面を見たジョアンナは強く抱きしめ別れました。
これまでにサリンジャーの作品を読んだことのなかったジョアンナは、
ファンレターにこめられた彼らの熱い思いの訳を知りたくて、
小説を手にとりました。
彼の小説は、想像を反して残酷だった。
でもユーモアあふれ、そして正確だった。
ジョアンナは、サリンジャーが大好きになった。
ジョアンナが担当した作品の出版が決まり、
マーガレットから手柄を褒められました。
これからは担当作家を持つことができるのだ。
ジョアンナは会社を辞めて、書くことに専念すると決意した。
そして恋人と別れた。
セックスだけで本当に愛していなかったのだ。
ジョアンナはが執筆した詩を手に<ザ・ニューヨーカー>を訪れました。
編集者に売り込むためでした。
会社に戻ると、マーガレットにお客が訪れていた。
聞き覚えのある声、それはサリンジャーだ。
ジョアンナはしまっていたノースカロライナ州ウィンストン・セーラム在住の
青年のファンレターを取り出すと、
ハンガーにあるサリンジャーのジャケットのポケットへ忍ばせた。
そしてマーガレットの部屋の扉が開きます。
サリンジャーが言います。
「ジョアンナ!ついに会えたね。嬉しいよ!」
ジョアンナの笑顔は希望にあふれていた。
THE END
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