映画パイレーツ・ロック(2009) おもしろかったです。
60年代の英国のラジオ放送は
国営放送だけで民放ラジオは認められていない。
ロックの曲は法律で1日45分しか放送できなかった。
海上の船から24時間ロックを流し続けた海賊ラジオ局が
絶大な人気をえたために、
政府は規制しようと動く・・・・
この自由のなさから
真のロック(体制への反抗)は
アメリカでなくてイギリスで生まれたのかもしれません。
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流れる曲はハードロックでなく、
60年代の軽いポップ系で、ちょっとモノ足りませんでしたが
エンドロールに
ロックの名盤ジャケットが次から次に登場します。
まず出たのはビートルズ最高傑作アルバム
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
でした。 感激!!
★基本情報
パイレーツ・ロック
原題The Boat That Rocked
監督 リチャード・カーティス
脚本 リチャード・カーティス
キャスト
フィリップ・シーモア・ホフマン
トム・スターリッジ
ビル・ナイ
リス・エヴァンス
ニック・フロスト
ウィル・アダムズデイル
トム・ブルック
リス・ダービー
キャサリン・パーキンソン
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もしお時間あれば、僕のロック論です。
狭義のロックは英国で生まれたと思っています。
「ロック」はアメリカの黒人がはじめた「ロックンロール」が元で。
「ブルース」のブルーなイメージを取り除いて
明るくパワフルにしたサウンドだと思います。
どの曲からはっきり「ロックンロール」と定義できるかというと、
映画「暴力教室」(1955)で歌われた
『ロック・アラウンド・ザ・クロック』が最初でしょう。
そしてエルビスプレスリーが完全に「ロックンロール」を大衆化した。
その後ザ・ビーチ・ボーイズが登場して発展するが、
彼らの曲はなぜかポップすぎて、ずっしりこない。
ロックのいわゆる毒々しさもない。
僕が思うロックは、まだ登場していないことになる。
映画「スクール・オブ・ロック」(2003)で
http://77hikoboshi.blog111.fc2.com/blog-entry-268.htmlジャックブラックが小学生に、ロックは何かを語っている。
ロックとは大物(権力)への抵抗だそうで、同感です。
「スクール・オブ・ロック」は面白く笑える作品で、
「ロックとは何か?」を講義してくれます。
初心者にも大変親切な内容だと思います。
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さてジャックブラックやその他評論家も言っていることだが
僕の定義する「ロック」は英国で生まれてしまった。
ビートルズ、アニマルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、キンクス、レッドチェッペリン
クリームといったイギリスのバンドが登場して、アメリカをのみこみ、世界中に広まった。
彼らのサウンドが「ロック」だと思います。
イギリスロックの草分けは「ヤードバーズ」ですが、聞いてもイマイチです。
エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジら
「三大ギタリスト」を輩出したことのみを語られるだけですね。
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なぜ英国で生まれたかというと
《ロックンロールは死んだ》と言われる現象がアメリカで起こったのです。
プレスリーは兵役につき、その他ロックンロールのミュージシャンがいなくなる。
1960年には、すでにロックンロールのスターたちは誰も表舞台にいない。
アメリカの音楽シーンはポップソングやモータウンソウルが台頭して隆盛となる。
「ロックンロール」はアメリカでは消えてしまったが、
海を越えてイギリスの若者たちの間に飛び火していく。
イギリスのバンドが「ロックンロール」に魂をいれて、
「ロック」として確立したと思います。
「アメリカン・パイ」で、
ドン・マクリーンは
アメリカではロックは死んだと、皮肉をこめて歌っています。
「パイレーツ・ロック」のように、
ロックは危険、不良ソングとして、
政府は海賊放送を取り締まろうとします。
その権力に反抗するために
ロックが抵抗曲として生まれていったのかもしれません。
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ロックの歴史で必見の曲
70年代でロックは死んだ説を信じているものです。
映画の好みと同じように、かなり好みが偏っています。
<一曲編>
ロック・アラウンド・ザ・クロック(1955)
ロックンロールの最初で最大のヒット曲
ロック・アンド・ロール・ミュージック(1957)
チャック・ベリーの曲で
ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、エレクトリック・ライト・オーケストラがカバー
クロスロード(1968)
クリーム(エリッククラプトン)のブルースロック
パープル・ヘイズ Purple Haze(紫の煙)(1970)
ジミ・ヘンドリクス(ジミヘン)の名曲
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」
において第1位史上最高のロックギタリスト
アメリカン・パイ(1971)
ドン・マクリーン、ロックではないが、もうロックは死んだという強烈な啓示
<アルバム編>
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(1967)
ビートルズ、ロック史を語る上でも欠かせない記念碑的なアルバム
レッド・ツェッペリン I
レッド・ツェッペリン、ブルースを基礎としたハード・ロックの進化
クリムゾン・キングの宮殿(1969)
キング・クリムゾン、プログレッシブ(発展進歩)ロックの名盤
ジギー・スターダスト(1972)
デヴィッド・ボウイ、ロック・スターの生涯をえがくコンセプトアルバム
狂気(1973)
ピンク・フロイド、ロック史上でも欠かせない不朽の名盤 かなり哲学的
ディープパープル、ローリングストーンズ、イーグルス、ジャニスジョップリン
・・・・ 話し出したらキリがないので、時間切れとします。