男と女の詩~クロード・ルルーシェの幸せの黄色いハンカチ
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「男と女の詩」(1973) A
男の方がロマンチスト、男の心はガラスのハート。
本作は「幸せの黄色いハンカチ」のような映画です。
恋人のいる男が刑務所から出てくる。
男は気弱になる。
実際に経験はないが自信喪失するのだろう。
男は弱い。
女性はどうだろう。
強いというか居直るのだろうか。
筆者が書いた「SAKIMORI」から引用する。

会議が終わって、竹島が帰った後に、親しいスタッフと映画談義になった。
「サーキー、『男と女の詩』という映画、知ってる?
この前、裕子に尋ねられて、知っていると嘘をついてしまった。
DVD化されてないので、どんな映画か教えてよ」
と黒いサングラスをはめた白沢監督が尋ねて来た。
「ああ、クロード・ルルーシュの作品ね」
「シャバダバダか」
「『男と女の詩』は、映画『男と女』のエンディングから始まるの」
「ほう、やっぱりシャバダバダだ」
「私は『男と女』より、この作品が好きよ。
ひと言で言うと『黄色いハンカチ』のフランス版ね」
「お! 高倉健の『幸福の黄色いハンカチ』の話かい?」
「そう。宝石店を襲撃するんだけど失敗して、刑務所に入った男が出所するのよ。
タイトルは『La Bonne Annee』、フランス語で新年の挨拶。Happy New Yearね」
「面白そうだ。それで? フランス映画はまったく苦手でね」
「新年を迎えるにあたって出所するわけ。男には内妻に近い恋人がいたのよ。
でも突然の特赦で釈放されることになる。
彼女は知らない。 6年も刑務所に入っていたので、男はすぐに彼女の家に直行できないの」
「健さんと、同じだな」
「男はなかなか帰れない。 やっと迷って、彼女の家の近くまで来て、家の中をうかがうわけ。
すると家には見知らぬ男が主人顔で出入りしているので、 男は去ることを決意する。
でも最後にひとこと、女の声を聴きたくて電話するの」
「男はガラスのハート、気は弱いけど、せっかくなので、お別れと皮肉のひとつも言いたいよな」
「ベットにいた女が電話に出ると隣に他の男が寝ている。
男は『俺だ、出所した』と告げた瞬間に、女は意外なことを言うの。
その男を追い出して『待っている、すぐ来て』と言うの」
「ほほ~、それで」と、監督は目が輝いた。
「再会すると、女は言うの『あなたを待っていたの。
でも 私は女よ、恋をしていないと女を維持できないの』
男は信用できない顔しながら、黙って彼女の顔を見る。
そこで映画は終わる。おそらく二人で暮らす方に展開しそうだと思ったわ」
「渋いというか、人生の辛酸をなめた本当の男と女の話だな」
========
『恋する大泥棒』、1987年のアメリカ合衆国の恋愛映画。
クロード・ルルーシュ監督の1973年のフランス映画『男と女の詩』のリメイクで、
ルルーシュがカメオ出演している。
日本では劇場未公開だが、『ピーター・フォークの 恋する大泥棒』の邦題でビデオが発売

「男と女の詩」(1973) A
男の方がロマンチスト、男の心はガラスのハート。
本作は「幸せの黄色いハンカチ」のような映画です。
恋人のいる男が刑務所から出てくる。
男は気弱になる。
実際に経験はないが自信喪失するのだろう。
男は弱い。
女性はどうだろう。
強いというか居直るのだろうか。
筆者が書いた「SAKIMORI」から引用する。

会議が終わって、竹島が帰った後に、親しいスタッフと映画談義になった。
「サーキー、『男と女の詩』という映画、知ってる?
この前、裕子に尋ねられて、知っていると嘘をついてしまった。
DVD化されてないので、どんな映画か教えてよ」
と黒いサングラスをはめた白沢監督が尋ねて来た。
「ああ、クロード・ルルーシュの作品ね」
「シャバダバダか」
「『男と女の詩』は、映画『男と女』のエンディングから始まるの」
「ほう、やっぱりシャバダバダだ」
「私は『男と女』より、この作品が好きよ。
ひと言で言うと『黄色いハンカチ』のフランス版ね」
「お! 高倉健の『幸福の黄色いハンカチ』の話かい?」
「そう。宝石店を襲撃するんだけど失敗して、刑務所に入った男が出所するのよ。
タイトルは『La Bonne Annee』、フランス語で新年の挨拶。Happy New Yearね」
「面白そうだ。それで? フランス映画はまったく苦手でね」
「新年を迎えるにあたって出所するわけ。男には内妻に近い恋人がいたのよ。
でも突然の特赦で釈放されることになる。
彼女は知らない。 6年も刑務所に入っていたので、男はすぐに彼女の家に直行できないの」
「健さんと、同じだな」
「男はなかなか帰れない。 やっと迷って、彼女の家の近くまで来て、家の中をうかがうわけ。
すると家には見知らぬ男が主人顔で出入りしているので、 男は去ることを決意する。
でも最後にひとこと、女の声を聴きたくて電話するの」
「男はガラスのハート、気は弱いけど、せっかくなので、お別れと皮肉のひとつも言いたいよな」
「ベットにいた女が電話に出ると隣に他の男が寝ている。
男は『俺だ、出所した』と告げた瞬間に、女は意外なことを言うの。
その男を追い出して『待っている、すぐ来て』と言うの」
「ほほ~、それで」と、監督は目が輝いた。
「再会すると、女は言うの『あなたを待っていたの。
でも 私は女よ、恋をしていないと女を維持できないの』
男は信用できない顔しながら、黙って彼女の顔を見る。
そこで映画は終わる。おそらく二人で暮らす方に展開しそうだと思ったわ」
「渋いというか、人生の辛酸をなめた本当の男と女の話だな」
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『恋する大泥棒』、1987年のアメリカ合衆国の恋愛映画。
クロード・ルルーシュ監督の1973年のフランス映画『男と女の詩』のリメイクで、
ルルーシュがカメオ出演している。
日本では劇場未公開だが、『ピーター・フォークの 恋する大泥棒』の邦題でビデオが発売
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