ロッキー(1976)C〜スタローンを有名にした映画
★数行で映画紹介しなければ
三流ボクサーの一念発起
★ショウトしょうとSHORT
映画音楽が元気を与える名曲ですね。
映画は名音楽と名役者でヒットする。
主演のシルヴェスター・スタローンが脚本を書いた。
★映画のオーディションに50回以上落選していたスタローンは、
ポルノ映画への出演や用心棒などで日々の生活費を稼いでいた。
極貧生活を送っていたスタローンは、
世界ヘビー級タイトルマッチ「モハメド・アリ対チャック・ウェプナー」戦を観戦した。
アリは当時世界最強と言われていたのに対し、ウェプナーはスタローン同様、
繰り返す転職の中で日銭を稼いでいた。
誰が見ても勝ち目がないウェプナーであったが、予想外の善戦を展開。
試合はアリが勝利したものの、ウェプナーの繰り出したパンチがアリのわき腹を直撃しダウンを奪い、
対戦後に「二度と対戦したくない」と言わしめた。
スタローンは「アリをダウンさせたその瞬間、
ウェプナーは偉大なボクサーとなり人々の心に永遠に刻まれる」と感じ、
出来事を基にわずか3日で脚本を書き上げ、プロダクションに売り込んだ。
プロダクションは脚本を気に入り7万5千ドルという当時の脚本料としては破格の値をつけた。
製作の条件として
「主演にポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、アル・パチーノといった
有名スターを起用する」ことを挙げて譲らなかった。
「貧乏とは上手く付き合うことができる」スタローンも脚本料に目を眩ませず、
自分が主演を兼任することに徹底的にこだわった。
結果として、双方の長きに亘る交渉の末、ギャランティーに関しては、監督は普段の半分、
スタローンは俳優組合が定める最低金額、プロデューサーはなし。
制作費はテレビシリーズ1本分(約100万ドル)。
36万ドルまで高騰した脚本料を2万ドルに減額。
という条件の下で製作が開始された。
上の話は映画を宣伝するための完全な作り話であり、
実際にはUAとスタローンの間に1度も話し合いは行われていない。
予算100万ドル以下の映画はプロデューサーが決定権を持っており、
UAの誰もスタローンと会ったことはなかった。
「失敗しても、テレビに販売すれば損失をカバーできる」とUAには報告された。
プロデューサーの報酬も10万ドルが支払われている。
当初のエンディングは
「試合前にミッキーが歪んだ人種差別的思想を表し、失望したロッキーが試合を放棄して会場を去る」という、
当時アメリカで隆盛を極めていたアメリカン・ニューシネマと呼ばれるジャンルの流れを汲む陰鬱なものであった。
妻・サーシャが読んで「私はこんなロッキー嫌いよ」と述べたため、ハッピーエンドに変更している。
★低コストにこだわった撮影
ステディカムを本格的に導入した、最初期の著名な作品としても知られる。
フィラデルフィア美術館前庭の階段、
いわゆるロッキー・ステップをロッキーが駆け上がるシーンが有名である。
練習のシーンの撮影を市内でおこなった際、
ステディカムを使った小規模の撮影クルーだったため映画のロケとは思われず、
本物のボクサーと間違えた市民から声援を送られた。
特に、ロードワークシーンでは、果物屋の店主がロッキーにオレンジを投げ渡す場面があるが、
店主が、撮影中のスタローンを本物のボクサーと勘違いして起こったハプニングであり、
そのまま映画に使用している。
観客役のエキストラを「フライドチキンを配布する」というチラシで募集した。
素人のため、撮影最終盤では統制を保てず、予定していたラストシーン
(興奮した観客がロッキーを担いでいくというもの)を撮影できなかった。
メイク代を節約するために、負傷したロッキーの特殊メイクを少しずつはがしていくことで、
最終ラウンドから第一ラウンドへと逆方向に撮影する変則的なやりかたをとった。
エキストラやカメオには、節約のためスタローンの家族や友人達が出演している。
弟のフランク・スタローンは序盤に登場する街頭で歌を歌って屯する若者達の一員として、
父のフランク・スタローン・シニアはゴングを叩く役として出演した。
スタローンの愛犬・バッカスも出演している。
ジョー・フレージャーがカメオ出演している。
当時のスタローンの妻サーシャはスチル写真のカメラマンとして参加した。
当初撮られたラストシーンは、全く違うものだった。
戦いを終えたロッキーが1人控室に戻ると、待っていたエイドリアンが小さな星条旗を取り出しロッキーに手渡す。
2人だけで静かに裏口から会場の外に出て行くというものであったが、正式公開には至らなかった。
この没シーンの二人の後ろ姿を使った静かな印象のポスターが作られ、公開時の宣伝として日米で実際に使われた。
ラストシーン収録の3か月後、激闘を戦い抜いたロッキーが「エイドリアン!」と叫び、
リング上でエイドリアンと熱い抱擁を交わすシーンが新たに撮影され、
印象的なラストシーンが正式なものとなった。
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★概要ネタバレは基本情報のあとに
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★基本情報
Rocky
監督 ジョン・G・アヴィルドセン
脚本 シルヴェスター・スタローン
製作 アーウィン・ウィンクラー
ロバート・チャートフ
製作総指揮 ジーン・カークウッド
出演者 シルヴェスター・スタローン
タリア・シャイア
バート・ヤング
バージェス・メレディス
カール・ウェザース
音楽 ビル・コンティ
撮影 ジェームズ・グレイブ
編集 リチャード・ハルシー
スコット・コンラッド
製作会社 チャートフ=ウィンクラー・プロダクションズ
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 アメリカ合衆国の旗 1976年11月21日
日本の旗 1977年4月16日
上映時間 119分
製作国 アメリカ合衆国の旗
★概要ネタバレ
ストーリー
プロローグ
アメリカの建国200年を目前に控えていた1975年。
フィラデルフィアに暮らす三流ボクサーロッキー・バルボアは
本業のボクシングによる賞金だけでは生活していくことができず、
知人である高利貸しの取立人を請け負いながら日銭を稼ぐというヤクザな生活を送っていた。
素質はあるが努力もせず、所属するボクシングジムのトレーナーであるミッキーからも
落ちぶれた様に愛想を尽かされ追い出されてしまう。
自堕落な生活を送っていたロッキーにも生きがいがあった。
近所のペットショップで働く女性エイドリアンの存在である。
ロッキーは、精肉工場で働く親友ポーリーの妹であるエイドリアンに恋心を抱き、
毎日ペットショップへ足を運んでは話しかけるものの、
内気で人見知りが激しいエイドリアンは打ち解けない。
妹に好意を寄せているロッキーを、ポーリーは奇異に思いながらも感謝していた。
ロッキーとエイドリアンは不器用ながら距離を縮めてゆき、
お互いになくてはならない存在になっていく。
世界チャンピオンからの抜擢
建国200年祭のイベントの一環として開催される世界ヘビー級タイトルマッチで、
世界チャンピオンであるアポロ・クリードの対戦相手が負傷。
プロモーターらは代役探しに奔走するが、
アポロが「全くの無名選手と戦うというのはどうだ?」とアイデアを出す。
無名選手にアメリカン・ドリームを体現させると世間の話題を集め、
自身の懐の深さを知らしめようという算段である。
アポロは、ロッキーが「イタリアの種馬(Italian Stallion)」というユニークなニックネームをもつというだけの理由で、
対戦相手に指名する。
スパーリングだと思っていたロッキーは驚いたが、両者の実力の差が歴然としているので申し出を断る。
人気獲得のためにも何とかして試合を開催したいアポロやプロモーターは、
半ば強引にロッキーを説得、試合の開催を決定する。
過酷な特訓
スポンサーを名乗り出るポーリーや、自身の豊富な経験からマネージャーになるのを希望するミッキー、
生きがいであるエイドリアンが、ロッキーに自分が決して孤独ではないと気づかせた。
「今の自分には確かに人生の目的や愛、支えてくれる人たちがいる」。
今まで経験したこともないような過酷な特訓に励むロッキー、
次第に高まる実力を実感し、フィラデルフィア博物館の階段を駆け上りながらガッツポーズをする。
試合前日の夜、「絶対に勝てない」と弱音を吐くロッキー。
心配するエイドリアンに「もし15ラウンドの最後までリングの上に立っていられたら、
自分がただのゴロツキではないことが証明できる」と呟き、試合への意気込みを新たにする。
試合当日
無名のボクサーと世界チャンピオンの対戦に賭け率は50対1でしかなかった。
「心配せず待っていろ」と人見知りのエイドリアンを控え室に残し、リングに向かうロッキー。
満員の観客の声援の中、ついにゴングが鳴った。余裕の笑顔で挑発を交えながら一方的に攻めるアポロに、防戦一方のロッキー。アポロの優勢は誰の目にも明らかであった。
油断した隙をついて強烈なパンチを打ち込み、最初のダウンを奪ったのはロッキーだった。予想外の善戦に観客がどよめく中。アポロの顔からも余裕の笑みが消え、試合は真剣勝負となる。
その後も二人の激しい攻防が続き、観客の盛り上がりも最高潮に達していた。控え室に響くどよめきにいても立ってもいられず、エイドリアンも意を決して会場に姿を見せる。第14ラウンド、アポロの強烈なパンチを受けたロッキーのダウンは致命的かと思われた。思わず顔をそむけるエイドリアン、もう起き上がるなと指示するミッキー、KO勝ちを確信するアポロ。しロッキーはありったけの気力を振り絞って必死に立ち上がり、
不屈の闘志を剥き出しにして再びアポロに向かっていく。
最終ラウンドを迎え、場内にはロッキーコールが巻き起こる。
序盤からのロッキーのボディーブローが次第に効果を表し、脇腹を庇うアポロは防戦一方、
猛ラッシュによろめくチャンピオンを辛うじてゴングが救い、試合は判定に縺れ込んだ。
会場は興奮のるつぼ、リングには報道陣が詰めかけ何本ものマイクが向けられるが、
傷付き疲れ果てたロッキーは報道陣のことなど目に入っていなかった、
渾身の力を振り絞り愛する人の名を叫ぶロッキー。
エイドリアンも必死にロッキーの名を呼びながら観客の波を掻き分けてリングへと向かう。
ジャッジが割れたことを前置きして告げられた判定結果は、
僅差でチャンピオンの勝利であった。
飛び上がって喜ぶアポロ。
ロッキーにとって勝敗など関係なかった。
リングサイドではポーリーが警備員を押しのけてエイドリアンの行く道を開けていた。
抱き合う二人「アイラブユー、ロッキー!!」「アイラブユー、エイドリアン!!」。
ロッキーは昨日までの自分に、「人生」という敵に打ち勝ったのだ。
THE END
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筆者の公式サイト話題の映画とか一過性の映画でなくて、
100年経過しても名作と言われる映画を追いかける
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