
まず映画「キリマンジャロの雪」(1952)について
原作は短編で
キリマンジャロ山は、アフリカにあるが、
いつも雪の世界にある高山だ。
そこに、一匹のヒョウの死骸が横たわっている。
これは何を意味するのか?
ヒョウはみずから自分を苦しめてまでも、自分の限界に挑もうとした。。。
短編を読んだが、かなり謎的で、あっさりしている。
映画化にあたり、ケイシー・ロビンソンは大胆に脚色する。
ヘミングウェイの、これまでの生き様 と
小説「武器よさらば」、「誰がために鐘はなる」、「日はまた昇る」
の3作品をミックスして、短編原作と違った脚本にした。
映画ではこの3作品の情景がでてくる。
特にパリでの情景は印象深い。
一人の不思議な女性が登場する。
彼女は恋愛をとるために妊娠した子供をわざと流産させる。
そんなに男を愛しているのかと思うと
突然にスペインの闘牛士と駆け落ちする。
男はスペインに、女を探しにゆき、スペイン戦争にまきこまれる。
戦争の中で命いくばくもない彼女をみつける。
話しは、ある作家の自伝回想という筋書きで、
3人の女性との関わりがおもしろい。
監督:ヘンリー・キング
出演:グレゴリー・ペック,エバ・ガードナー,スーザン・ヘイワード
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ヘミングウェイのショート
アーネスト・ヘミングウェイ、カポーティ、
ウルフ、スコット・フィッツジェラルド・・・
作家との出会いは、映画からです。
ノーベル文学賞受賞のアメリカ作家
ヘミングウェイ
映画から彼の作品に傾倒していった。
ヘミングウェイ作品が好きな理由
1、簡潔表現
ハードボイルド文学の原点と言われている。
ごちゃごちゃ書かれた文が嫌いで、
簡潔に書かれた彼の作品は、読みやすく好きです。
フランソワーズサガンが好きな理由もそこにある。
村上春樹さんの文は意外に長い描写があるが、なぜか読みやすい。
読みやすいと思うリズムがある。
ヘミングウェイは小説を書く過程で
100回以上書き直し、贅肉を削ぎおとし、簡潔化へもっていったそうだ。
その代表作が「武器をさらば」で、
ただそこに、あることだけを書いて
悲しんだのか、楽しかったのか、などの思いは一切書かない。
読者に感じてもらうような書き方を追求した作品だ。
2、明日のことを考えない無鉄砲、刹那的生き方
ロストジェネレーション(失われた世代)文学の元祖と言われる。
いわゆる戦争の後遺症を背負った世代
正確には第一次世界大戦で貧乏くじを引いた若者世代
すべての旧価値観を否定し、
酒や享楽に溺れる「自堕落な世代」とも言われる。
代表作が「日はまた昇る」で彼の作品で一番好きだ。
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彼の小説で映画化された情報(他から引用)
『武器よさらば』A Farewell to Arms 新潮文庫他
「戦場よさらば A FAREWELL TO ARMS」1932(米)
監督:フランク・ボーサージ
出演:ゲーリー・クーパー,ヘレン・ヘイズ,アドルフ・マンジュー
「武器よさらば A FAREWELL TO ARMS」1957(米)
監督:チャールズ・ビダー
出演:ロック・ハドソン,ジェニファー・ジョーンズ,ビットリオ・デ・シーカ
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『誰がために鐘はなる』For Whom the Bell Tolls 新潮文庫他
「誰がために鐘は鳴る FOR WHOM THE BELL TOLLS」1943(米)
監督:サム・ウッド
出演:ゲーリー・クーパー,イングリッド・バーグマン,エイキム・タミロフ
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『海流のなかの島々』Islands in the Stream 新潮文庫
「海流のなかの島々 ISLAND IN THE STREAM」1977(米)
監督:フランクリン・J・シャフナー
出演:ジョージ・C・スコット,クレア・ブルーム,ハート・ボックナー
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『殺人者』The Killers 三笠文庫
「殺人者 THE KILLERS」1946(米)
監督:ロバート・シオドマク
出演:バート・ランカスター,エバ・ガードナー
「殺人者たち THE KILLERS」1964(米)
監督:ドン・シーゲル
出演:リー・マービン,ロナルド・レーガン,アンジー・ディキンソン
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『老人と海』The Old Man and the Sea 新潮文庫他
「老人と海 The Old Man and the Sea」1958(米)
監督:ジョン・スタージェス
出演:スペンサー・トレイシー,フェリペ・バゾス
「老人と海 The Old Man and the Sea」1999(日+露+カナダ)
「ヘミングウェイ・ポートレイト」
監督:エリック・カーネル
監督・脚本・作画:アレクサンドル・ペドロフ
老人と海/ヘミングウェイ・ポートレイト
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『キリマンジャロの雪』The Snow of Kilimanjaro旺文社文庫他
「キリマンジャロの雪 THE SNOWS OF KILIMANJARO」1952(米)
監督:ヘンリー・キング
出演:グレゴリー・ペック,エバ・ガードナー,スーザン・ヘイワード
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『日はまた昇る』The Sun Also Rises新潮文庫他
「陽はまた昇る THE SUN ALSO RISES」1957(米)
監督:ヘンリー・キング
出演:タイロン・パワー,エバ・ガードナー,エロール・フリン,メル・フェラー
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『持つと持たぬと』To Have and Have Not三笠書房(ヘミングウェイ全集)他
「脱出 TO HAVE AND HAVE NOT」1945(米)
監督:ハワード・ホークス
出演:ハンフリー・ボガート,ローレン・バコール,ホーギー・カーマイケル
「破局 The Breaking Point」1950(米)
監督:マイケル・カーチス
出演:ジョン・ガーフィールド,パトリシア・ニール,フィリス・サクスター
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***その他***
「決死の猛獣狩り The Macomber Affair」1947(米) ※未公開
監督:ゾルタン・コルダ
出演:グレゴリー・ペック,ジョーン・ベネット
「さすらいの涯 Under My Skin」1950(米)
監督:ジーン・ネグレスコ
出演:ジョン・ガーフィールド,ルーサー・アドラー
「青年 Hemingway's Adventure of a Young Man」1962(米)
監督:マーティン・リット
出演:リチャード・ベイマー,ダイアン・ベイカー,ポール・ニューマン