きみの瞳が問いかけている(2020)C〜吉高由里子の「ただ君だけを」
きみの瞳が問いかけている(2020)C〜吉高由里子の「ただ君だけを」
★数行で映画紹介しなければ
盲目の柏木明香里と元キックボクサーの篠崎塁は、
運命的に出会う。
お互いがからんだ悲劇を背負う二人。
チャールズチャップリンの「街の灯」をリスペクトしたとされる
韓国の映画「ただ君だけを」が原作。
★ショウトしょうとSHORT
映画にでているだけで、ほっこりする大好きな女優。
こんな女優いるんですね。存在感抜群。
この手のラブストーリーはいくつか観ています。
食傷気味ですが、由里子さんが出ているだけで
点数が上がってしまいます。
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★概要ネタバレは基本情報のあとに
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★基本情報
監督 三木孝浩
脚本 登米裕一
原案 映画『ただ君だけ』
(Based on "Always")
製作 松下剛
宇田充
鈴木嘉弘
製作総指揮 依田巽
小竹里美
納富聡
渡辺章仁
出演者 吉高由里子
横浜流星
やべきょうすけ
田山涼成
野間口徹
岡田義徳
奥野瑛太
般若
坂ノ上茜
森矢カンナ(友情出演)
町田啓太
風吹ジュン
音楽 mio-sotido
主題歌 BTS『Your eyes tell』
撮影 小宮山充
編集 柳沢竜也
制作会社 ドラゴンフライエンタテインメント
はちのじ
製作会社 「きみの瞳が問いかけている」製作委員会
配給 ギャガ
公開 日本 2020年10月23日
上映時間 123分
★概要ネタバレ
篠崎塁(横浜流星)は、駐車場の警備を住み込みで任され、
前住者が居たという部屋へ案内を受けます。
見知らぬ女性・柏木明香里(吉高由美子)が差し入れと言ってやってくる。
盲目らしく、以前いた老人に会いに来ていた。
別人と気づくと、すぐ立ち去る。
外は雨が強く降っていて、塁と明香里は「Last Love」のテレビドラマを見る。
明香里はコールセンターの仕事をしていた。
塁は所属していた大内キックボクシングジムの会長の元で
キックボクサーへの復帰を目指していた。
明香里は休みの日に「椰子の実」を口ずさみくつろいでいると、
浴室の排水溝のつまりで増水したタイルに足を滑らせ転倒してしまい
足にダメージを負ってしまう。
ドラマを見ていた塁と明香里。
明香里は目が見えない分、鼻は効くようで、
塁の運動量や靴の消耗具合を熱気で感じていた。
ドラマに出演する麻衣子(森矢カンナ)、
レン(三船海斗)の劇中の会話"後悔しない”のセリフに
「あなたを好きになれてよかった」と画面に向かって発する明香里。
ドラマの登場人物についてイヤリングや服など装飾品の様子を
塁から手ほどきを受けながら感情移入していくうち、
塁のいで立ちや年齢について興味を持つようになり、
「ネズミ年」との塁の返答に48歳か36歳だと思い込みます。
帰り際、塁は足を負傷して足取りの重い明香里を察して
おぶって送ろうとするも「後悔するよ」と豪語する明香里をしょって歩き、
彼女の住まい付近に到達すると、階段が入り組んだ先にマンションがありました。
無事に玄関前まで見送った塁は、明香里からコンサートの付き添いを頼まれ、
公演中のヴァイオリン奏者の様子や場内の雰囲気など、
塁からの説明を聞きながら時間を過ごした。
次に、一度は行ってみたいという焼き肉店へ。
塁から取り分けを受けるも盲目の明香里は受け損ね、
服の胸元を汚してしまう。
話は弾むものの塁は過去については語らない。
明香里は不機嫌になる。
塁は帰り際にアントニオ・篠崎塁だと本名を明かし、
元ボクサーで、年齢は24歳だと言った。
明香里は自身が務めるコールセンターの上司から呼び出されて出向くと、
アクセサリーをプレゼントされた。
前回渡したコンサートチケットのプレゼントと合わせて
食事でもしながら感想を聞かせて欲しいと、
フレンチレストランへの誘いを受けた。
定食屋で沈黙が続いている大内会長、コーチと塁の3人。
コーチの尾崎隆文(野間口徹)が我慢大会じゃないぞと口を開くと、
塁は、実は以前地下格闘場で活動をしていて、
闇金の取り立てとして雇われているときに検挙されたことを告白し、
表舞台での挑戦に専念すると誓う。
明香里が自宅の玄関前に到着すると上司が待ち伏せており、
仕事の相談について自室でもみ合いになりますが
塁によって阻まれて、ボコボコにされる上司。
明香里は職を失ってしまったと泣き出す。
「僕が支えるから」
それから塁は、たびたび明香里のもとを訪れるようになる。
「さっき退職届を出してきた。どこか連れて行って」
海に連れて行くと、母と海での無理心中をした過去を語りだした。
母は死に、類は死ななかった。
塁お手製の日曜大工によって入り口付近の段差は解消され、
日避けのシートも光が差し込む透明感のあるものへと改修された。
明香里の部屋の机に、点字で刻まれた「ロミオとジュリエット」の
セリフ”きみの瞳が問いかけている”の名のもと、
”私の瞳をよく見て”と両手で塁の顔の感触を確かめる明香里は、
採光に包まれながら塁とキスを交わした。
キックボクシングの試合が終わると、
控室へと続く通路付近には幼馴染で半グレ集団のリーダー佐久間恭介(町田啓太)が、
出所してきた。
塁に会いに来て、地下格闘に誘いますが、
塁は「過去には戻れない」と断ると「またな」と言って去っていった。
自宅にいる明香里は点字で書かれたマニュアルを広げ、
日々のトレーニングで疲労した塁にマッサージをする。
退職後の次の職にもなるとの意気込みに、
塁は「ファイトマネーを稼いで、足りない分は配達のバイトで何とかするから、
テラスでくつろいだり趣味に没頭していていい」と抱き寄せた。
塁は、いっそうキックボクシングの道に打ち込み、配達の仕事も、
時折通る明香里のマンション付近の階段もトレーニングの一環になっていきます。
明香里の部屋に子犬を招き一人の時間も実りのあるものに。
子犬は、すくすく育って欲しいという想いから"スク”と名付けられます。
塁が引き取られて育った修道院を訪れ、
母との最初の記憶で最後になったという浜辺で”自分だけが生き残ってしまった”という悔みに、
シスターの大浦恵美子(風吹ジュン)から「過去の身は清められた」という祝福を受けます。
修道院の子供たちが作ったというポプリの袋を渡されます。
明香里は喪服のような全身黒ずくめの姿で「特別な場所へ案内する」と言って出掛けます。
バスや電車で「椰子の実」を口ずさむ明香里に、塁も同行し、
明香里の両親の墓がある霊園へと到着します。
明香里は以前話した”大切な人が出来ればここに連れてくる”という約束のもと、
塁を両親に紹介します。
塁は、亡くなった両親の死因を尋ねます。
4年前のクリスマスの日。
家族を乗せて明香里が車を運転していると、
ビルの隙間から火だるまになって身投げする人間に気をとられます。
避けようとした前方の車と接触し、明香里の車は横転。
原因で視力を失ったのでした。
塁が墓標の日付けを見ると、それと同じ日の出来事を思い出します。
借金取り立てのボディガード時代に、
家族の安否を気遣いガソリンをかぶって身投げした債務者の坂本普(岡田義徳)でした。
塁は自分のせいで明香里が視覚を失ったと苛み、
薄暗いトレーニングジムでサンドバックに打ち込み、途方に暮れた。
明香里もまた自炊の最中に立ち眩みで病院に搬送された。
診断結果で網膜剥離をしていると言われて、手術しないと完全に視力を失う。
手術を話すと、明香里はお金がかかるので、このままでいいと言う。
塁は手術代を稼ぐために、
一度だけ出場して欲しいという恭介の申し出を受ける。
地下格闘技への参加と明香里とは別れる決意をした。
塁は、過去との決別について修道院のシスターに尋ねると
「以前、浄化されたはずですよ」との答えに
「全然できていないんです」と会話を交わし、
過去は変えられないけれど大切な人のために自らを捧げられると、
励まされた。
修道院の子供たちが作っているというマリア像のレリーフが掘られた
オルゴールの制作に乗り出しているとの吉報をシスターから聞かされます。
明香里も、手術が成功して瞳が完治すれば
塁の姿が分かると自分に言い聞かせ、
院内の車いす生活でも看護師の呼びかけにも協力的です。
塁はあと一試合でチャンピオンになれるというところで、
原田コーチの説得も退け大内のジムを去ります。
自宅の、スクと塁、明香里のみんなが写った思い出の写真を全て燃やし、
地下の賭博場へと向かいます。
恭介の言っていた他連合との抗争というものはなく、
より強い者を召集した闘技場の賭けの中で、
塁は最初からカマセとして選ばれたのだった。
対戦相手は当日になると急遽、屈強な外国人へと変更され、
試合では苦戦を強いられますが、塁は見事勝利を収めた。
試合結果に自信のあった恭介は、
予想外の展開に対戦相手のリーダーからも信頼を損ね孤立してしまう。
場内がどよめく中、赤札のハズレ券が宙に舞います。
塁は公衆電話から、ファイトマネーの半分を明香里の両親へ、
残ったもう半分を債務者坂本の妻へ送ったとに告げ、
ホッと胸をなでおろし外に出ると、
背後から走ってきた乗用車の轢き逃げに遭う。
車から降りてきた男に刃物で背中を数か所刺され、
うつ伏せのまま重体で救急車で運ばれた。
車の後部席には恭介の姿があり、薄ら笑みを浮かべていた。
明香里は手術で目が見えるようになった。
入居期間を過ぎた今もマンションに住み続けたが、
塁宛てに修道院からの小包が届く。
明香里は修道院へ。
修道院のシスターから明香里の事故の原因の真相聞かされた。
明香里は郊外へ移る。
陶芸に打ち込み、
塁との時間で手に入れた両手に残る素肌の感触を頼りに、
塁の胸像を完成させた。
数か月後、明香里は配達業の傍ら、
雑貨店「SHOPアントニオ」をオープンさせた。
明香里はマッサージの技術も得た。
療法士のボランティアとして診療所を訪問する中、
病室で治療をしながら、
お手製の茶器を贈ったりして老人の世話をした。
明香里は新しい患者が搬送されているのに気付きマッサージを施しますが、
明香里には、塁だと分からない。
塁は別れを決心しており、声をかけなかった。
SHOPアントニオに入った塁は、
店内の配列棚からキンモクセイの木を見つけて購入。
店で、塁はひとつの箱を発見します。
マリア像のレリーフで掘られた箱を開けると
「椰子の実」のオルゴールの音色が響き渡り、
塁は店員の心配をよそに感慨にふけり、涙を流して、
品物を受け取って店を出ていった。
塁と明香里は、市街地の並木道ですれ違い。
スクが塁に飛びかかって、倒れた。
塁と分からずに起こす明香里だった。
激しく吠え続ける犬のスクも顧みず店へ行った。
先程、キンモクセイが売れたと報告する津ノ森。
購入客が「椰子の実」の曲に涙を流していたという様子を知り、
松葉杖ついていたか問いただした明香里は、
療養所にいた人物が塁だと確信し、後を追います。
塁の姿はなく、オルゴールを抱えたまま並木道で立ちすくんだ。
塁は死ぬ決意をして、「椰子の実」を口づさみながら海水へと入っていく。
塁の名前を叫ぶ声がして振り向くと、
車から降りてきた明香里の姿が。
「帰るのはそっちじゃないよ」
愛犬スクも一緒だった。
光の差し込む明香里のほうへ歩み寄る塁に、
「私の瞳をよく見て」と両手で顔を覆い
「一緒に帰ろう」と言うのだった。
THE END
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筆者の公式サイト
話題の映画とか一過性の映画でなくて、
100年経過しても名作と言われる映画を追いかける
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